『セント・オブ・ウーマン――夢の香り』を見る:正しき道は、険しき道。されど素敵な友と一緒なら…
記事にスターをつけてくださる皆さん、本当にありがとうございます。僕も皆さんのブログにお邪魔して、読ませていただきます!!
今回、皆さんにおすすめしたい映画が『セント・オブ・ウーマン――夢の香り』(1992年)です。「あなたの最も好きな映画は?」と問われた場合、真っ先に僕の頭に浮かんでくるのがこの映画です。アカデミー賞では、盲目の退役軍人を圧倒的な演技力と存在感で演じきったアル・パチーノが主演男優賞を受賞し、作品賞、監督賞、脚色賞にノミネートされました。
好きな理由はいくつかあるのですが、稚拙な表現でかまわなければ、魂がすーっと洗われるような気持ちになるのです。この映画の1つ1つのシーンや音楽、役者の表情などを見ていても、何というかノスタルジックな気分になります。
さて、まず内容について簡単に紹介しますね。
この物語の主人公は2人です。1人は、オレゴン州の田舎からマサチューセッツ州ボストンの名門ベアード高校にやってきたチャーリー・シムズ(クリス・オドネル)という青年です。経済的には貧しくも優秀で誠実なチャーリーは、奨学金を得て名門校に通っています。もう一人は、盲目の退役軍人フランク・スレード中佐(アル・パチーノ)です。その軍人口調と気難しい性格は相対する人々を困らせますが、盲目故に鋭い感性やユーモアを持ち、心の奥底には優しさも兼ね備えた人物です。人生上の壁にぶつかった二人が偶然出会い、お互いに影響を与えながら成長する様を描いたドラマとなっています。
続きを読む『その手に触れるまで』を見る:人は変わることができるのか
ついに見てきました(レンタルで)、ダルデンヌ兄弟の新作『その手に触れるまで』。
ダルデンヌ兄弟(ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ)は言わずと知れたベルギーの名匠ですが、僕はダルデンヌ兄弟の映画が大好きです。
ハンドカメラによって撮影されるシーンは臨場感にあふれたドキュメンタリーのようで、この社会に暮らす人々の中でも様々な意味で弱かったり、つらい立場に置かれた人々に焦点をあて、この社会の問題点を浮き彫りにする作風です。
しかし、必ずしも特定のメッセージを与えるのではなく、その解釈は視聴者に委ねられている部分もあります。日本では知らない人も多いかもしれませんが、パルムドールなども受賞していることもあり、社会的な影響力も大きいかと思います。
続きを読む「The Best of L'Arc~en~ciel c/w」(カップリングベスト)のすすめ
お久しぶりです。長いこと投稿をさぼっておりました。
大変うれしいことに、ブログを購読してくださっている方がいまして、その方のブログ記事は私にとってもドンピシャの内容となっていました。
それは、「L'Arc~en~ciel」←(文字を虹色にしてみました。「L'Arc~en~ciel」の意味はフランス語で「虹」)。
以前、このブログでも取り上げましたが、そちらも読んでいただけるとうれしいです。
thewindofgoldtakesmewhere.hateblo.jp
カリスマ性、楽曲のすばらしさ、メンバーのカッコよさなどなど、好きにならない理由がない(と僕は思う)のに、僕の周りで聞いている人は実は少ないんです。
それでも僕は聴き続けているのですが、今回は、最近ヘビロテしているアルバム、楽曲を紹介したいと思います。
続きを読む『ギルバート・グレイプ』を見る:「いい人間になりたい」という青年にどう応えるか
今回は、僕がコレクションしている洋画作品のなかから、『ギルバート・グレイプ』を紹介します。1993年に公開されたアメリカ合衆国の映画で、アイオワ州の架空の田舎町エンドーラを舞台に据えたヒューマンドラマとなっています。
主人公は、エンドーラに住むギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)という青年です。ギルバートは、姉、妹、そして重度のハンディを抱える弟のアーニー(レオナルド・ディカプリオ)と、17年前に夫(ギルバートらの父)をなくして以来家を出なくなった母と町はずれにある家で暮らしています。ギルバートは次男ですが、長男が家を出てからは、町の小さな食料品店で働きながら一家を支えています。それだけでなく、重度のハンディを抱えるアーニーの面倒を見るなど、家庭内のケアの役割も引き受けています。ギルバート自身が口に出して言うことはあまりないですが、彼は心のどこかで町を出て自由に暮らしたいと願いつつも、家族の世話に手いっぱいで、余裕なく日々を過ごしています。
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L'Arc~en~Ciel
早速2記事目!
ブログのURLにも入っている「wind of gold」とは何を意味するか。
そう、私が敬愛してやまない、L'Arc~en~Cielさん(以下、ラルク)の作品のタイトルです!
1994年に発表されたアルバム「Tierra」に収録されており、目を閉じ耳をすませば異邦の地の情景が浮かぶような、素敵な楽曲です。私は「wind of gold」を聞くたび、夕暮れの港町にたたずんで、水平線の向こう側を眺めているような気分になります。あるいは、モネの「印象・日の出」の中にいるような感覚に。私は、儚くも美しい世界観を提供してくれるこの楽曲が大好きです。
ラルクのどこに魅力を感じるかは人それぞれだと思いますが、「儚さのなかに潜む美しさ、力強さ」を感じ取ることができる点に私は惹かれます。また、妖しくダークな世界観の楽曲もあり、美しさと恐ろしさ(おどろおどろしさ?)の表裏一体性も強く体現しているように思います。
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