ジョニー・デップ、「ファンタビ」グリンデルバルド役降板に思うこと
まずはじめに、昨日書いた記事にスターを早速つけてくださった方がいらっしゃいました。ありがとうございます!僕も記事を読ませていただきますね。
さて、
「覚悟は、できているか・・・?」
僕の大好きな「ハリーポッター」「ファンタスティックビースト」シリーズにおいて、とても残念なニュースが飛び込んできました。それは、ジョニー・デップがグリンデルバルド役を降板するということです。(「覚悟は、できているか・・・?」は、「ファンタビ」シリーズの主人公ニュート・スキャマンダーに捕らえられたグリンデルバルドが発したセリフです)
「ファンタスティックビースト」シリーズは、「ハリーポッター」と世界観を共有し、約70年前の物語を描いた作品です。物語の主軸は、「ハリーポッター」ではおなじみの最強の魔法使いダンブルドアと、ヴォルデモート以前の最強の闇の魔法使いグリンデルバルドとの戦いです。
ネタバレになるかもしれないので詳しくは書きませんが、ダンブルドアはかつて、道を踏み外しそうになったことがあります。それは「マグル支配」の思想を抱いたこと。(マグルとは、非魔法族、つまり普通の人間のことです)
若き日のダンブルドアは、非常に恵まれた才能を持つが故に、自らの家族関係にしがらみを抱えていることをうとましく思っていました。
そんなある時、ダンブルドアはグリンデルバルドと出会います。グリンデルバルドも同様に非常に才能豊かな魔法使いで、二人はすぐに意気投合します。そして、自らの力を発揮し、いずれは二人が魔法界と人間界を支配する、という野望を抱き始めます。
しかし、ある事件がきっかけで、二人は袂を分かつことになります。その後ダンブルドアはホグワーツで教鞭をとり、グリンデルバルドは姿をくらまします。(ここまでの話は、「ファンタスティックビースト1、2」の時代よりも以前の出来事です。)
この二人の関係性について、J.K.ローリングは興味深い発言をしています。某web版百科事典によると、J.K.ローリングは「ダンブルドアがグリンデルバルドに恋愛感情を抱いていた」と語ったそうです。いわく、「ダンブルドアは恋愛感情を抱いた時点で人道上の指針を完全に失ってしまいました。一連の事件を通して自身の判断力に強い疑念を抱いてしまった彼は、それ以降は誰を好きになることもなく、生涯独身を通し、学問に身を捧げたのです」(某web版百科事典「アルバス・ダンブルドア」より)。
映画「ハリーポッター」シリーズでは描かれることのなかった物語。書籍版ではダンブルドアの過去の断片が描かれていますが、詳しくは語られていません。
そんななか、「ファンタビ」シリーズでダンブルドアとグリンデルバルドの物語に光が当てられると知り、僕は非常に喜びました。さらに、グリンデルバルドを一体誰が演じるのだろう、と非常にワクワクしました。あのダンブルドアが恋愛感情を抱くほど非常に魅力的な、しかも危険な面も併せ持つ闇の魔法使い、となると、かなり難しく重要な役どころになると思います。
結果ジョニー・デップが演じることになるのですが、僕個人の率直な感想は「見事なはまり役」でした。グリンデルバルドの人物像のポイントは、「非常に魅力的である」ことです。もちろん、魅力にも様々な種類があります。かっこいい、可愛い、美しい、渋い…etc.
「ハリーポッター」シリーズで、ハリーがグリンデルバルドの印象を少し語っています。それは「ハンサムな美形」、「陽気で奔放」、「策略の成功を勝ち誇るような雰囲気」でした。僕はこうした部分を、ジョニー・デップが非常にうまく醸し出していると思っています。ジョニー演じるグリンデルバルドは、妖しく危険な雰囲気を持ちながらも、「口が上手く」、どこか「軽々しく」、まるで「異性をひっかける軟派な男」のような雰囲気も持っています。
「ファンタビ2」の特典映像で、監督のデヴィッド・イェーツがこう語っていました。「ヴォルデモートは敵対する人物を一瞬で倒してしまう。だがグリンデルバルドは、敵対する人物を言いくるめ、自分の味方にしてしまう。これはとても恐ろしいことだ」と。さらには撮影中に、ジョニー演じるグリンデルバルドの演説シーンで、その演説に引き込まれそうになったとも語っていました。
このように、僕はジョニーが表現する独特の「軽さ」こそ、重要な要素であると思っていました。思慮深く才能豊かなダンブルドアが惚れるとしたら、同じような思慮深そうな相手よりも、もしかしたら、豊かな才能を持ちながらも軟派な雰囲気を持つ相手ではないか、と。そして「ファンタビ2」で、ジョニーは見事に口が達者なグリンデルバルドを演じたと思います。
ところがどっこい、ジョニーが自らのDV疑惑をめぐって新聞社を名誉棄損で訴えた裁判で敗訴したことから、グリンデルバルド役を降板するというニュースが報じられました。
率直な感想としては、「なぜ今頃?」という感じです。そもそも2017年の「ファンタビ2」撮影開始時点では、ジョニーがアンバーと問題を抱えていたことは周知の事実だったのではないかと思います。まあ、「示談→DV被害の訴えを取り下げ」という形でとりあえず済んでいたものを、その後ジョニーが新聞社を訴え「敗訴」という明確な結果になったために、「訴訟社会」のアメリカで問題視されたのかもしれませんが。
そして代役として名が挙がったのは、マッツ・ミケルセン。僕は「007:カジノロワイヤル」で敵役ル・シッフルを演じたことくらいしか知らないのですが、渋い魅力を醸し出す素敵な俳優だと思います。
・・・ですが、先ほど述べたように、やはりグリンデルバルド役の肝要な要素は、「軽さ」の魅力だと思うんです。マッツ・ミケルセンはどちらかというと、重厚で渋く、落ち着いた雰囲気をまとっているように思います。マッツ・ミケルセン演じるグリンデルバルドもみてみたいと思いますが、やはりジョニーがいい!という思いは捨てきれません。
まだマッツ・ミケルセン版は見ることができませんが、皆さんはどちらのグリンデルバルドがお好みですか?(この写真を見ると、マッツ・ミケルセンでもいいかも、と思ってきた・・・)